2015年2月12日木曜日

犬も歩けば、、、

坂之上洋子さんの『犬も歩けば英語にあたる』を読んだ。



ネットサーフィンでたまたま坂之上さんのことを知り、彼女の書いた本3さつのうち、どれも面白そうだったのだけれど、なんとなく今の自分の気持ちに一番あう気がしてこの本を選んでみた。

朝にベットの中からこの本をアマゾンに注文したら、夜には家に届いていた。なんて便利な、そして、有難い世の中だ。

去年一年ちょっとアメリカで働いていたときにこの本にであってたら、もう少し楽な気持ちになれていたかも、、、そうそう、こんな経験あった、あったよなぁ、、、と思いながら読み進めた。

外国で暮らしたことがあれば、誰でも似たような経験はしているはず。でも、そこでの出会いや出来事からどれだけ学んだり、感じたりできたかで、その時間の深さや重み、意味合いはかわる。坂之上さんの本を読んで改めてそう思った。

Things aren't always what they seem. (物事は、いつも見た通りとは限らないんだよ。)
Sometimes that is exactly what happens when things don't turn out the way they should.
You just need to trust that every out come is always to your advantage.
(そうなるべき何かがその通りに行かない、そんな理不尽なときには、実際にはこういうことが起きているんだよ。起きていること全ては自分に有利になっている、そうただ信じることが必要なのさ)

坂之上さんがオフィスの隣の席の女性からもらったメールに書いてあったこと。
みたものをみたもののままに受け取り、行動してしまう私には肝に命じなくてはならない言葉。

デニス・ウェイトリー博士の十戒もぐっときた。

「私は、アメリカの会社の中で、たったひとりの日本人という環境で働いた経験があります。そこでのプロジェクトはまったじゅ日本に関係なく、いわば日本人であることのメリットはまったくなし、lという環境でした。毎日、英語の環境のなかにいて、「ネイティブなら絶対知っている」といういうような簡単な言葉を知らなかったり、うまく冗談を返せなかったりする自分に、だんだん嫌気がさしてきました。言いたいことがうまく話せない自分が、とてもくやしかったのです。同時にちょっとした被害妄想にもなってしまい、ときどき、周りの人に馬鹿にされた気がして、トイレで泣いてしまうこともありました。「もうやめたい」と、何度も思いました。そんな最悪のとき、こんな文章に出会いました。」

この前置きの文章だけで、もうぐさぐさと胸に刺さりまくりなのだけれど、、、

1.Always dress like a winner. (いつもしょうしゃにふさわしい服装をする)
2.Answer the phone in a clear, confident manner. (電話の応答ははっきりと自信を持って)
3.Accept compliment with poise, "Thank you. How nice of you to say that." (褒め言葉に対しては、落ち着いて、「ありがとう。そうおっしゃっていただいて嬉しいです」と答える。)
4.Every night make a list of things you are grateful for that happened during the day. (その日に起こった嬉しい出来事を毎晩リストにする)
5.At meetings, sit in front of the room and take an active part in discussions. (ミーティングではバックシートではなく机について、議論に参加する)
6.Walk everywhere with proud and confident posture. (いつでも自信を持った態度で)
7.Set your standards of behavior by the rules observed by gracious refined people. (上品で洗練された人たちの行動規範を自分の行動規範に)
8.Speak with self-confidence but respectfully to everyone. (自信を持ち、同時に、他の人全てに敬意を表しながら話す)
9.Make a list of short-range and long-range goals. (短期的、長期的ゴールのリストを作成する)
10.Smile, smile, smile! (笑顔、笑顔、笑顔!)

日本語の環境なら7ー8ぐらいはできているかもしれないけれど、アメリカではできていたもは2-3ぐらいだなぁ、、、

そして、「自分もそれなりに頑張ったけれど、自分の実力以上に、自分が豊かな国に生まれたという偶然に感謝しなくてはいけない」という思い。
仕事柄十分にわかっている、痛感しているはずのことだけれど、ついついtake it for grantedしてしまいがち。

一時間ぐらいで読めていい感じでリフレッシュできる本☺︎次は彼女のどの本、読もうかな。

2014年5月30日金曜日

シルクが世界を救う?

1年以上前に旦那の同級生のホームパーティーに参加したとき出会ったLivioがずっと気になっていて、勇気を出してコンタクトしてみたら、あっさり会ってくれることに

彼はもともと国連で働いていて、その後、ハーバード・ケネディースクールに行き、VAXESSという会社を起業。シルクを使って冷蔵庫に入れなくても変質しない(冷蔵庫や電気のないところに届けることのできる)ワクチンの開発を行っている。

以前、彼の会社を数億円で買収したいという話があったらしいのだけれど、「それでは安すぎるので断ったんだ」という話をパーティーのときにニコニコしながら教えてくれた。

もっと詳しい話や彼の思いを聞きたくて、彼の働くシェアLabを訪問

蚕そのものや液体になった蚕、そして様々な温度に設定してある冷蔵庫など、彼の実験室を見せてもらった後、(Labの一角とは思えないようなおしゃれな)リビングでコーヒーを飲みながら彼の起業話を聞かせてもらった。

国連で働いていたときに蚕農家(@カンボジア)を支援していたけれど、プロジェクトの期間が終わったら蚕農家に対する協力も終わりになった。

そんな中、彼らの生産している蚕を何かに使えないか…と考えていたときに、ひとつのTED TALKに出会った。それは、シルクの可能性について語ったもので、そのTED TALKを見たときに、「これだ!」と思い、すぐにそのプレゼンを行った人(ボストンで研究を行う教授)にコンタクトをとった―これがすべての始まり。



その後、たまたまLivioはハーバード・ケネディースクールに行くことになり、ボストンが拠点になったため、シルクの可能性を実用化する事業に関わることになる。

ベンチャーキャピタルや行政からお金をとってきて、冷蔵庫の必要ないワクチンの開発を数年かけて10人のチームで実施中。

彼がハーバードの学生だったときに、学生の中に、アフリカの国で以前保健大臣の職に就いていた人がいたので、彼は何度も彼女のところに足を運んだらしい(嫌がられるぐらい笑)。

そのときに聞いた話が彼の事業のヒントにもなっているとのこと。(例えば、冷蔵庫の容量には限りがあるため、国際社会から届くワクチンの何割かは現場では廃棄されていたこと等。)

また、蚕を医療からファッション・アートにまで使うべく、様々な企業・組織と彼らは協同しているということで、なんと枠にはまらない事業なのだろう…と驚くばかり。

もちろん、ワクチンとして使えるようになるまでまだ数年はかかる見込みで、また、企業をゼロから立ち上げて事業を行うことは多忙を極めるし神経を使う作業でもある。そのため、「時には大企業で働いて、次に何をすればいいか指示してもらえるような生活がいいなと思うこともあるよ。壮大な夢を描いて、それが花開かないで終わる可能性だってあるんだから。でもハーバードで、一度しかない人生、ワイルドに生きろと教わったしね」と茶目っ気たっぷりに話すLivio

彼はForbes under 30にも選ばれている今注目の若手起業家。冷蔵保存のいらないワクチンが開発できたら、いったいいくつの命を救うことができるだろう…世紀の大発明につながるかもしれない事業を20代の彼が仕切る…

http://www.forbes.com/special-report/2014/30-under-30/science-and-healthcare.html 



こんな人にパーティーでひょこっと出会ってしまうなんて、やっぱりボストンって面白い若者たちがたくさん集まっている場所だ。ぜひぜひVAXESSの事業、うまくいってほしい。

そして、こういうイニシアチブをどんどん応援する文化・制度・環境があるアメリカ/マサチューセッツ/ボストンはとても魅力的だと改めて思った。

2014年3月23日日曜日

リーダーシップ その2

リーダーシップ研修のメモ。20のポイント。

忘れないために。そして、今後繰り返し確認するために・・・。


1) Be conscious about the language you use/ Be aware of possibility of misunderstanding / Ba aware of the people's difference
2) Ask questions/ let them make comments. (Many bosses don't encourage questions.)
3) Give not only a task but also a chance for a little development.
4) Give/ delegate most of the task (in order to secure social time)/ Let them represent
5) Use the word  not "I" but "we"
6) Senior staff: Define the problem and put questions (They gonna feel more respected/ important/ motivated). Junior staff: Show the interest/ Delegate the responsibility gradually
7) Element of leadership: Select the appropriate staff members + capture the whole picture/ the upper-level view + communications (strong communication pipes with senior management members)
8) Be aware of dress code and tone of the voice (Control how you look like)
9) Need to be like an internal consultant/ Need to learn from the intensive consultation process
10) Have social skills (mostly required!!)
11) Let them come to your place every day about almost every thing
12) Plan and think how to communicate/ Control every aspect of the communication
13) Prepare 2 or 3 elevator presentations (3-4 lines)
14) Read the book "Art of War" by Sun Tzu
15) Prepare a presentation that contains less than 3 main messages
16) Take control of your career (one of the method of stress control) (ex. networking/ headhunters) / Feel passion about what you are doing/ Ask the same things to your team members
17) Understand 80/20 rules (20% of customers give 80% of the profit!! Put the emphasis on it.)
18) Check mails after 10:00 a.m. (Concentrate other important things in the early morning.)
19) Delegate the task, which is not important but urgent.
20) Focus on the task that is important and urgent and then the task that is important but not urgent.



ナイロビのカレンにて(ガーデンレストラン)

リーダーシップ その1

ナイロビの一風景

ナイロビでリーダーシップ研修を受けました。
南スーダンのプロジェクトチームのメンバーと一緒に。

いろんな発見があったけれど、ひとつ心に残っていることは、「まずは自分の性格や特性をちゃんと知っておくこと」の大切さについて。

自分のことってわかっているようなわかっていないような・・・

MBTIというパーソナリティーテストをネットでいくつか受けてみるといいと言われたので、受けてみたところ結果は以下のとおり。

・内向的(Introverted)>外向的
・直観重視(iNtuitive)>感覚重視
・感情重視(Feeling)>思考重視
・知覚重視(Perceiving)>判断重視

3つ受けたテストうち、ひとつは感情重視ではなく思考重視(thinking)派という結果が出たけれど、そのほかの2つのテストでは感情重視という結果だったのできっとそうなのでしょう。

私が今一緒に働いているチームリーダーも「自分はパーソナリティテストでは内向的な性格だという結果がでたけれど、仕事ではできるだけ外向的になろうと努めている」と話していたのを思い出しました。

無理をする必要はないけれど、自分がどんな人間かということをきちんとわかることで、チームの運営方法やチームメンバーとの日常的なコミュニケーションの方法など、見えやすくなることは確かだよなぁ。

この性格(INFP)に分類される人は少ない(つまりはちょっとした変人??)ようだけれど、ジョニーデップやジュリアロバーツもこの性格に分類されるらしい。それを聞いて少し安心?!

性格についての説明は「うんうん」と思えるところと「そうかなぁ?」と思えるところと両方あったけれど、仕事についての説明は「なるほど・・・」と深く納得。なかなかあうキャリアがないそうなので、天職と思える業界に出会えたことは幸せなことなのかもしれません。

あと、(人との関係、特に男性との関係においては)批判を個人的なものと捉えがちだという結果が出ました。そうしないように心がけているつもりだけれど、相対的にその傾向が強いのかもしれないなぁ。興味深し。



Overall, the INFP personality type is very rare, complex, and enigmatic, and INFPs seek careers that are more than just jobs. People with this personality type need to know that what they do strongly resonates with their internal values and core principles. As already mentioned, there are quite a few careers highly suitable for INFPs—they simply need to find a worthy cause. (訳:この性格に分類される人はあまりおらず、複雑で謎めいている。そして、この性格の人は単なる仕事以上のキャリアを求める。このタイプは、何が自分の価値や原理原則に合致するかを知る必要があり、また、ぴったりあう仕事はそう多くはない。慈善事業のような仕事を見つけなければならないのだ。)
It is really important that people with this personality type develop their ability to take criticism calmly and objectively. INFPs’ imagination can easily come up with many different negative ideas and assumptions – this should be prevented at all costs. (訳:この性格の人は、批判を落ち着いてかつ客観的に捉える能力を身に着ける必要がある。このタイプの人は、多くのよくないアイデアや仮定を簡単に思いついてしまうため、これは何をしてでも避けなければいけない。)

2014年3月9日日曜日

「最高の授業」を世界の果てまで届けよう

私の働く組織の日本人の集まり(ハッピーアワー)で初めて会った税所くん。

こちらを見てニコニコニコニコしていたので、「どこかで会ったことがある子かな?でも見覚えないけどな・・・」と思っていたら、そのうち声をかけられて「旦那さんのところにしばらく泊まらせてもらってました。そのときに、えりさんの写真をいくつもみていたため顔を覚えてました!」と言われ、あーそういえば暫く学生の子が泊まってたと旦那が話していたなぁ、この子だったんだぁ・・・と納得。

そのときにうちにといただいた本がこちら。
「『最高の授業』を世界の果てまで届けよう」

来週に南スーダンの政府の人たちをナイロビに招いて、(昨年末の紛争勃発以降の状況を踏まえて)事業のレビューを行うので、南スーダンについて思いをはせる日々。

アフリカの優等生ケニア、ウガンダやタンザニアでも学校の教育の質は問題だと聞くので、南スーダンのような紛争影響地域ではなおさら。私も以前南スーダンに駐在し教育事業を担当していたため、学校の様子についてはある程度の現場感覚はある。教育省には、たくさんの専門家やドナー関係者が世界中からかけつけて協力を持ちかけていたけれど、現場の吸収能力にももちろん限界があるため、かなり混乱した様子だった。そして、女子教育についてはもっと悲惨。小学校を卒業するよりも、妊娠して亡くなる可能性のほうが高いのだから・・・

そんな中、ケニアやウガンダで提供されている学校の授業をビデオで録画する形で南スーダンの子供たちに届けるほうが(学校の先生を再教育して授業の質を向上させていくよりも)近道でかるインパクトも期待できるのではいか・・・ケニアやウガンダなどで教育を受けて現在省庁で活躍している南スーダンの人たちを私はたくさん知っているし・・・とぼーっと妄想していた。

そんなときに税所くんの本を思い出して手に取る。

一気に読んで心が揺さぶられた。

彼の行動力と(周りをつぎつぎと巻き込む)共感させる力に。

彼が窮地に陥ったときに暖かい声をかけてくれる周りの人たちもまたすばらしい。

途上国に必ず存在するカリスマ講師の授業をDVDに納め、それを途上国の農村に住む子供たちに届ける―この活動が子供たちの未来を切り開いていく・・・

私が週末にアメリカの自宅でぼーっと妄想していたことを何年も前から現場で(それも世界五大陸で)実現している青年がいたのだ。

もちろん、いい大学を出たとしても就職口がないという途上国の若者の話をよく聞く(スリランカや南インド、中国など)。なので、途上国の「果て」に住む子供たちに最高の授業を届け、彼らの大学進学率を伸ばしていくことだけで途上国の教育問題が解決するわけではない。また、事業の収益性が未だ確保できていない中で、どう事業を拡大展開・深化させていくのか、この点に課題があることについては税所くんも著書の中で言及していた。

でも、何事もやってみないと次にはつながらないし、数年でここまで事業が展開できたのであれば、その先に待ち受けている様々なチャレンジについてもいろんな人たちを巻き込みながら、うまく解決していけるのではいか・・・という気持ちになる。

彼の著書を通じて、彼の冒険を追体験させてもらっているような気がして楽しかった。

私が一生関わりたいと思っている紛争影響地域は、治安の関係から他の地域から物理的に遮断されていることが多い。また、多くのいい人材が現地を去り、そして、外の優秀な専門家も現地を訪れたがらない。他の地域であれば「当たり前」にできることが、紛争影響地域だからという理由であきらめなければいけないことがあまりにも多すぎる。

そのため、税所くんのこの事業はこういう地域でこそ必要とされているのではないかーそう強く感じた。

フィリピンのミンダナオでもこの事業を展開する予定だという。そこでの経験・ノウハウをスーダンや南スーダンに持っていくことはできないか・・・私の週末の妄想は続く。



「自ら戦略を持つのではなくて、現地の人に任せるなんて、君は新しいタイプの経営者だ。皮肉ではなく、それはおもしろいと思う。経営はやりたいようにやらなきゃダメだからね。一方で、『試しにいろいろやってみる』というのは、失敗する経営者の常だ。いまから5つ、僕からアドバイスをさせてほしい。メモしなさい。マヒン君、君もね。
1.生と映像とでは迫力が違う。圧倒的なコンテンツをつくり続けなさい。そしてちゃんとメンテナンスを続けなさい
2.日本ブランドを作りなさい。日本の国旗を入れるのもいい。
3.プロモーションやデモンストレーションは、コンテンツの『はじめの1』をお客さんに観てもらうためにやりなさい。残りの『99』のためではなく。とにかく、『1』を見てもらうことに全精力を傾けなさい。
4.マヒン君のようなコーディネーターを育てなさい。これはこの事業の肝だ。
5.この2年間で、事業としての実績を作りなさい。これ大企業の戦い方ではない、ベンチャーの戦い方だ。まず2年間の計画を立てなさい、今までのは白紙にして、すべてを。3ヶ月に一回の会議と、毎月の収支報告をしなさい。」(ワタミ渡邉会長から税所くんへのメッセージの抜粋)

「(税所くん発言)先生、実は僕の中途半端な取り組みのせいで、ワタミからパートナーシップを打ち切られることになりました・・・」(中略)「(先生)は、は、は!そりゃよかったじゃないか。(中略)アツヨシ。いいか、お前な、世界を変えるなんてのは一生の仕事なんだぞ。お前はスタンドプレーが好きだが、いつもそれでやっていけると思うのがまちがいだ、バカもの。これでまた一からのスタートだ。出直せ」(米倉誠一郎一橋教授から税所くんへのメッセージ)

「足立区長?就職?ぜんぜんおもしろくない。いまの年齢でここまでやれたんだろ?考えてごらんよ。この道であと10年も続ければ、もう誰も勝てなくなる。(中略)税所くんが世界のあちこちで破壊すればするほど、日本の同世代に創造的な影響力を与えられる。もっと道を外れていい。生きるか死ぬかを体験してこいよ。他人からどう見られているかなんて、気にしたってしょうがない。もっと自由に生きてみろ。(中略)人生は逆張りで行く。それがポイントだ。そのほうが断然かっこいいし、第一な、モテる。いま、君はいい感じで逆に張っている。この逆張りをさらに突き進めていい。マイクロソフトやグーグルの創業者が、途上国の支援を積極的に手がけているのは知っているよな?彼らがそうした活動を始めたのは、商売で成功した後の話だ。だが君はもっと上だ。いまの身分ですでにアクションを起こし、しかもちゃんと結果を残しているんだから、自信を持っていい。(中略)それにな、大学を出て普通の会社に就職しても、そこで得られるものはほとんどないぞ。一度、外で蓄えてこい。まずは子どもたちのためだけに集中して、その先になにがあるかを探すんだ。わけのわからない体当たりをして、日本人の限界を超えてみろ。20年それを続けたら、君の勝ちだよ。(中略)最後は、世界が君に追いついてくるさ」(藤原和博先生から税所くんへのメッセージの抜粋)

「もしわたしが税所くんの今の立場だったら、こんな風に考えたと思います。アメリカで開催されているコンペなので、アメリカ英語でやるのは当然だが、なぜ日本語じゃだけなんだろう。いっそのこと、日本語でしゃべてしまおうか。それでもまったく構わないかもしれないけれど、一応礼儀としてすこしだけ英語を使ってやろう。それも、アメリカ英語なんか使ってたまるか、日本英語でやろう、なにせ自分の日本英語は、バングラや中東やアフリカでは通用したわけだから。そのほうが、明確にアメリカ人のグループとは差別化できるだろうなぁ。よし、その方針で行こう、それなら自分にできるかもしれない。そのためには、流暢に、たくさん説明するのはやめよう。それより、すくなく、ゆっくりとした説明を、自信をもって、熱をこめて参加者に訴えかけよう。参加者がもし心ある聴衆であれば、自分がたどたどしく日本英語で説明することを、しっかり聞いてくれようとするだろう、それがアメリカだと思うから。」(友成真一早稲田大学先生からアメリカでのプレゼンを控えた税所くんへのメッセージ)

「生きている限り、パンツ一枚分だけ黒字であれば、それでいい。(中略)非常識だと思われていることをやることに異議がある(中略)無我夢中でやっているうちに、気づけばステージが上がっている。だから君は今の活動を一生懸命進めていくんだー」(中古車販売最大手ガリバーインターナショナルの羽鳥兼一会長から税所くんへのメッセージ)

「僕とマヒンは、ダッカのストリートチルドレンがら購入した同じ地図を持っています。5大陸のたびをスタートするときに、僕たちはその地図にこう刻みました。
The end of life is not knowledge but action.」(第七章より抜粋)

2014年1月5日日曜日

祈る平和

南スーダンの西エクアトリアで見た夕日

年末から第二の故郷・南スーダンの事態が気になっています。

去年の12月は、年明け早々立ち上げ予定だった南スーダンの起業家支援のプログラムの中身の詰めを行っていました。その詰めも終わろうとしていた矢先に、南スーダンの首都ジュバで、(元副大統領率いるグループによる)クーデター未遂があったという情報が入ってきて・・・

一方で、元副大統領はクーデターの試みはなかったと主張しています。

その後大統領と元副大統領の政治的な対立は、大統領の属するディンカ族と元副大統領の属するヌエル族との間の民族的な闘い(殺戮のしあい)に一気に拡大しています。

死体の山が首都ジュバや他の州の州都でも見つかっているというニュースや記事も目・耳にしています。死者は1,000人以上にのぼるという情報もああります。

元々反政府勢力が存在し、また、牛・女性・子どもの民族間の奪い合い等で治安がなかなか安定していなかったジョングレイ州の州都ボーが元副大統領グループの手に落ち、石油資源が豊富にあるユニティ州都も反政府勢力の手に落ちたという情報もあり・・・戦火は全10州のうち、半分に及んでいるようです。

更には、スーダンやウガンダの介入の可能性もゼロではないという話しもあり・・・

エチオピアで和平交渉が行われるようですが、大統領側は「反政府勢力とのパワーシェアリング(副大統領や大臣といった主要ポストの提供といったようなこと)はあり得ない」と明言しており、一方、元副大統領側はクーデター未遂犯として逮捕された仲間たちが解放されなければ、そして、和平合意事項の実行及びモニタリングが確実に行われるという保障がなければ、停戦には応じないとしているため、両者が合意に達することができるのか―かなり不透明だと言わざるを得ません。

駐在していたときに一緒に働いていたローカルスタッフ、そして、政府の役人の人たち、NGOの人たち、更には、近隣諸国から出稼ぎにきてドライバーやホテルスタッフとして働いていたケニア人やウガンダ人たち―飛行機で外に脱出することが容易でない人たち―彼らは無事なのでしょうか。

もう戦いはいやだと心から思っていた南スーダンの人たちをたくさん知っているだけに、現地の情勢は彼らの思いからはあまりにもかけ離れ過ぎていて、言葉を失ってしまいます。

2005年の南北スーダンの停戦合意以降、インフラ建設、政府システムの構築、そして、人々の間の信頼情勢などが急ピッチで行われてきました・・・停戦合意後たったの9年間しかなかったので多くのことが達成できたとはとても言えない状況です。でも、今のままではこれらが一瞬にして無に帰してしまうかもしれません。それでは、あまりにも悲し過ぎます。

首都ジュバから車で一時間走れば、保健システムも教育システムも安全な水へにアクセスもないところはそこらじゅうにあります。だからこそ、これからも「戦い」以外にやることが山ほどあるこの国で、のちのちに禍根を残すような民族同士の殺し合いが行われて、内戦に発展しそうになっているという現状に対して、現地の人たちが誰よりも心を痛めているに違いありません。

南スーダンで働いているとき、心とビジョンあるリーダーに出会うことが何度もありました。
どうか、彼らの声が、大統領側にも元副大統領側にも届き、大統領と元副大統領が思いきった、かつ、現地の人たちに共に生きる勇気と希望を与える決断を促しますように。

大学時代の恩師がいろんなところで口にしている言葉「必要なのは祈る平和ではなくつくる平和」という言葉が好きで、平和構築に携わることを希望してきましたが、今の私が(南スーダンの現状について)できることは祈ることだけだという現実がとてももどかしいです。

エチオピアでの和平交渉がうまくいって、一日も早く南スーダンの人たちとの国づくりに向けた作業が再開できますように。

2014年の年始に願ってやみません。

2013年12月1日日曜日

I don't know how she does.

出張のときか、休暇のときか、忘れてしまったけれど、飛行機の中で見た映画『I don't know how she does』。直訳すると、『彼女がどうやって(仕事と家庭を両立させて)いるのか分からない』となるかしら。私だったら『スーパーウーマン』とでも意訳したいところ。

日本ではもうすぐ公開されるのかな?!

Sex and the Cityでお馴染みのサラ・ジェシカ・パーカーが主人公で、投資銀行でバリバリ働くキャリアウーマンかつ一男一女の母という役を演じています。

子どもに寂しい思いをさせていることに罪悪感を感じながらも、そして、ここで新しい仕事を受けてしまうとまた家族との時間が減ってしまうので断るべきだと頭では分かりつつも、新規の案件を受けてしまう彼女。

子どもの学校の行事、お誕生日会、家族の行事などなど。

仕事も責任のあるポジションできちんとこなしながら、なんとか、家族との時間や行事もこなしていく姿に、(子どもはまだいないし、管理職でもない私も)「あー、わかるわかる、そうだよね!!!!」と共感しまくりでした。

あまりにもどたばたした毎日で、うまく歯車がまわらなくなってしまったときに、旦那さんが彼女に言った一言。

「常にロジの話ばかりするのは嫌だ…5分でいいから、きみとゆっくり話しをする時間を持ちたい。」

いつか私も旦那さんに言われそう…苦笑。

それでも、なんだかんだ言いながら理解ある旦那さんに助けられながら、仕事も夫婦関係も子育てもオシャレもなんとかこなしていく彼女の姿に、心からエールを送りたいと思った私でした。

おまけ:この映画について書かれた以下のコラムもとっても共感。
http://mamapicks.jp/archives/51818846.html